2F　　漆加飾三人展　[種]　　賀蘭、小峰花香、呉雯雯

9月21日（木）～ 10月1日（日）　※ 9/25（月）休廊

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この度、京芸漆工専攻加飾ゼミの三人は、漆という共通の「種」を用いて、

それぞれが抱える課題意識を独自の技法を用いて表現しています。

本展では、現代アートにおける漆の新しい可能性を探究する賀蘭と、

青銅器や生き物などの文様に注目し、物の生き生きとした様子や装飾の美しさを表現する小峰花香、

または、中國の漢字と⼭⽔画や⽇本の葦⼿絵などを

グラフィックデザインやレーザーカッターを手段として、新たな漆を表現する呉雯雯の作品を展示いたします。

三人が加飾に対する考え方や制作意識はそれぞれに異なる点がとても面白く、

同じ空間で全く違う漆の不思議な「変種」をぜひご高覧ください。（一同）

呉　雯雯

私は漆の研究を通じて、中国と日本の伝統文化の要素、例えば漢字、葦手、詩歌、山水画などをテーマにし、伝統的な漆工芸とグラフィックデザインの知識を活用して漆の作品を制作しています。

レーザーカッター技術やデジタル化されたデザインプロセスを活用することで、伝統工芸漆の手作業の良さと現代技術の精密さを組み合わせ、漆の新たな可能性と表現を広げることができると考えています。

漆の多様な表現方法を探求しながら、現代的な思考や感覚、新しい素材や技術、そして伝統を融合させた表現で、この時代を象徴するデザインと美を表現する作品を作りたいと思っています。

呉　雯雯　　（ゴ　ブンブン）

2016 国⽴福州⼤学厦⾨⼯芸美術学院グラフィックデザイン専攻卒業
2016～2019 LHCK Creative Design Co., Ltd 契約社員
2021～京都市⽴芸術⼤学漆⼯専攻修⼠在学

2021　京都市⽴芸術⼤学留学⽣展⼤ギャラリー
（@KCUA/京都）
2021　会津まちなかアート「うるしその可能性と未来」
（松本家蔵/福島）
2022　会津まちなかアート「うるしその可能性と未来」
（松本家蔵/福島）
2023　国際漆展·石川2023　入選

小峰　花香

私は、主に模様や動物をテーマに漆の作品を制作しています。模様は、中国の青銅器に扱われている文様やアラベスクのような幾何学的文様などに注目しています。

動物は、その生き物の形に着目しており、特徴的な部分を切り取って形にしたり、全体的にデフォルメしたりなど、抽象的な形に落とし込んで表現しています。

これらの 2 つの要素を組み合わせて、動物の生き生きとした様子や装飾の美しさ、そして何より漆の魅力を表現したいと思っています。

小峰　花香　（コミネ　ハナカ）

2020　沖縄県立芸術大学工芸専攻漆芸分野卒業
2020　京都市立芸術大学大学院工芸漆工専攻修士在学

2020 三年生展（沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館/沖縄)
あいづまちなかアートプロジェクト2020（ギャラリー・アブドゥ/福島)
2021 卒業・修了作品展（沖縄県立博物館・美術館/沖縄)
漆芸の未来を拓く-生新の時2021-(石川県輪島漆芸美術館/石川)
あいづまちなかアートプロジェクト2021（松本家蔵/福島)
2022 あいづまちなかアートプロジェクト2022（松本家蔵/福島)
京都市立芸術大学作品展（京都市京セラ美術館/京都)

賀　蘭

「培養」とは、微生物あるいは多細胞生物の細胞や組織の一部を人工的な環境下で育てることです。ポイントは人工的、自然ではないことで、漆作品を作ることも、ある意味では「培養」と同じく、いろんな造形素材や、装飾材料を漆で「培養」していると考ています。また、現代社会、ネット社会や人間も「培養」の産物だと考えられます。人間は人間を作ろうとしていて、自然な妊娠ではなく、一つの人間に色々な知識や情報を教え、育つ環境により性格や人柄を決めていき、大きく言うとAIやロボットを開発することで、人間が人間自身を「培養」させようとしていることを感じました。
人工培養されたものは何か、いいものか、悪いものか、それは過程と環境などの要素によりわかる点が漆と同じく面白さを感じました。

賀　蘭　　（ガ　ラン）

1992 中国甘粛省生まれ
2015 中国美術学院学部漆画専攻　卒業
2022 京都市立芸術大学大学院工芸漆工専攻修士課程　卒業
現在京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工研究領域博士在籍

2021 個展「人間養分ネット」（ギャラリーマロニエ/京都）
2021 隗楠・賀蘭　漆二人展（ギャラリーアーティスロング/京都）
2022 生新の時 2022-漆芸の未来を拓く-（石川県輪島漆芸美術館/石川）
2023　Polishing&Shapes 漆のつや・形のありさまSeries1
（桃青京都ギャラリー/京都）
2023 Colors & Shapes 色の遣い・形のありさま Series2―
（桃青京都ギャラリー/京都）
[収蔵]
中国福建美術館
（漆画「in the city」〔’14〕/漆画「ME」シリーズ、立体乾漆「ピエロ」〔’15〕）

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