2020年1月21日(火)~1月26日(日)
工芸技法の多くには意識的・計画的な制作プロセスが固定されるが、
たとえば「染み・滲み・むら」を活用する表現技法には、
無意識的な、オートマティスム・ブリコラージュ・野生の思考がはたらく。
私は近年、作品集の表紙をかざる1200点の布象嵌作品の制作に、
高速度集中濫作の姿勢を志すうちに
《超現実的魔術の秘訣》をものにしたような実感を覚えた。
工芸技法の可能性はオートマティスム再考にあるとの考えを強くしている。
(福本)
福本繁樹 FUKUMOTO Shigeki
1946 滋賀県湖北に生まれ、中京区の職人の街に育つ
1961-70 油絵とデッサン
1965-89 蠟染め着物の染色業
1969より 南太平洋美術探査と著作
1970 京都市立芸術大学専攻科西洋画専攻修了
1976 『メラネシアの美術』(求龍堂) 出版後、染色作品の展覧会活動開始
1989-2016 大阪芸術大学専任教員 (現、金沢美大非常勤講師)
1996 『染み染み染みる日本の心、「染め」の文化』(淡交社) 出版
2006-12 和綴じのブックアート
2016 『染色論のすゝめ』(工芸教育研究会) 出版
2017 『福本繁樹作品集 愚のごとく、然りげなく、生るほどに』(淡交社) 出版
2017-18 特別展「交わるいと 「あいだ」をひらく術として」広島市現代美術館
2018 福本繁樹展、福本繁樹作品集刊行記念、中信美術館、京都
2019-20 「明治の工芸/平成の工芸」展、ギリシャ近代文化博物館、アテネ
「所蔵作品展 パッション20」東京国立近代美術館工芸館