2019年4月2日(火)~ 4月14日(日)※4/8(月)休廊 12:00-19:00(最終日:18:00)
宙(そら)へ…に
「詩画集をつくろう!」建畠晢氏と意気投合したのは13年前、旅先の酒席でした。
「そろそろだな…」と顔を合わせるたびに言いつつ、気がつくと10年。「締め切りを決めよう」と発表の期日を決めたのですが……
それも一年延期、という始末。それでも何とか完成に漕ぎ着けることが出来ました。
安堵、と同時に私の作品が建畠氏の詩との出逢いによって私のイメージした世界から翔び立っていくようにも思えて何とも言えぬ充足感に満たされています。
本展は、ギャラリー恵風の開廊17周年を記念してのもので開廊15周年記念展につづき
2度目の発表が建畠氏との詩画集刊行記念展になったことにこの上ない喜びを感じて居ります。
小林敬生(木口木版画家)
共振する言葉
木口木版のマエストロ、小林敬生さんとの詩画集の制作は私にとっても貴重な体験であった。
言葉が不穏な官能性を秘めた画面の単なる絵解きに留まってしまったのでは共作とはいえまい。
なかなか手がつけられないでいたときに、ふと四連十四行という擬似的なソネットを思いつき、
その形式に誘われるようにして一気に六篇の詩を書き上げることができたのである。
マエストロの作品とスリリングに共振する詩行足りえていればいいのだが。
建畠晢(詩人、美術評論家)
小林 敬生 KOBAYASHI Keisei
版画家。1944年島根県松江市生まれ。1978年現代日本版画大賞展で優秀賞受賞以後木口木版画を中心に制作。1998年「蘇生の刻―S62.8―」文化庁買上げ。第2回高知国際版画トリエンナーレ大賞、大阪トリエンナーレ1997―版画―銀賞、03年北京国際版画ビエンナーレ銅賞、2016年LEONARD SCIASCIA記念版画賞大賞(イタリア)、その他。06年紫綬褒章、07年山口源大賞、滋賀県立近代美術館、グアナフアト州立アロンデイガ美術館(メキシコ)などで個展。
建畠 晢 TATEHATA Akira
詩人、美術評論家。1947年京都生まれ。早稲田大学文学部卒。詩集「余白のランナー」(思潮社、1991年)で歴程新鋭賞、「零度の犬」(書肆山田、2004年)で高見順賞、「死語のレッスン」(思潮社、2014年)で荻原朔太郎賞を受賞。英訳詩集に<The Runners in the Margines>(P.S.,Press;A Middletown Springs,Vermont,US,2003)がある。美術評論集には「問いなき回答」(1998年)、「未完の過去」(2000年)、エッセイ集には「ダブリンの緑」(2005年)など。